【漫画家アシスタント物語・4】編集部からも期待された漫画家志望友達ぽんちゃんの話
こんにちは、つるです。
急性胃腸炎になってしまい寝込んでいました。起きてると前駆陣痛のマックスぐらいの痛みで辛かった!!
でも、丸1日寝たら嘘みたいに元気になりました。寝てる間、娘を見てくれた母と夫に感謝、、、!!
夕飯のとりからあげが怪しかったかも、、、みなさまもお気をつけて!!
さて、今回はゆいいつの漫画家志望友達だったぽんちゃん(仮名)との話を描きました。
私が漫画家を目指していた期間はトータルで7年くらいですが、、、
今でも仲良くしてる人ってマジで1人もいません笑
やっぱり同じ道を志している限り仲間でありライバルなので、なかなか難しいんですよねえ、、、
でも、疎遠になった今でもぽんちゃんはすごい人だったなあと尊敬の念を抱いています。
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ぽんちゃんにアプローチするつる
漫画のとおり、私はアシスタント先で若干浮いていましたが、空気を読まずにズバズバ言うぽんちゃんとは仲良くなれそうだと思っていました。
ぽんちゃんは私の根暗ジョークで場が凍った時も1人だけ笑ってくれたよ
私はぽんちゃんに積極的に話しかけました。ぽんちゃんはアシスタントに入った時期も、担当編集者も同じ。住んでいる場所も近くと共通点がいっぱい。
でも、ぽんちゃんは正直者なので、自分が興味を持った相手じゃないと仲良くしないお人、、、!
はじめは私にもドライな反応でしたが、向こうも色々話すうちに気が合うと思ってくれたようで、気づけば毎週のように会ってネームを描く仲になりました。
いつ寝てるの??ぽんちゃんの凄まじいバイタリティ
ぽんちゃんはおしゃれと少女漫画が大好きな女の子でした。
地方から上京して一人暮らし。アシスタントと服屋さんのバイトを掛け持ちして、自分の漫画を描いていました。
実家暮らしでぬくぬく漫画を描いてたつるとの対比よ、、、
ぽんちゃんは夕方に私とファミレスで落ち合い、翌朝までネームを描き、その後、自宅で仮眠をとってから服屋さんのバイトに行くこともありました。
アシスタント先の先生が長編読み切りを描く際には、ぽんちゃんが30連勤して最終日に札束をもらったという伝説も生まれました。
(ちなみに移動手段は基本チャリで、片道1時間かけて通ってた)
さらに、ぽんちゃんは「気分転換に絵を描いた」と言ってキャンバスに描いた油絵の写真をメールで送ってくれたこともありました。
どこにその時間と体力あるん!?
私はぽんちゃんの体力が信じられなくて、「もともと体力があるほうなの?」と聞いてみたところ
「体力は人並みだと思う。全部、精神力でやってる」と答えました。それがすごく印象に残ってます。
編集部も期待するぽんちゃんの才能とその後
漫画では描ききれなかったのですが、ぽんちゃんはめちゃくちゃ画力が高く、漫画も上手でした。
前にひなちゃんという神画力の女の子の話をしましたが、ひなちゃんはアニメ的な萌え寄りの絵が上手くて、ぽんちゃんは少女漫画的な繊細な絵が上手。
つるが出会ったアシスタントさんの中で、画力2トップはこの2人かな〜
ぽんちゃんは、漫画スクールで1番上の賞をとってデビューしました。
上位3つの賞のいずれかに入ればデビューできますが、1番上の賞は編集部が「雑誌に新しい風を吹かせることができる」「いずれ連載陣に仲間入りできる人材」だと認めた人にしか出ない賞だと思います。
ぽんちゃんのデビューは私も嬉しくて、大喜びしました。
それから1年くらいはぽんちゃんと変わらず仲良くしていたと思いますが
ひょんなことで仲違いし、、、(後で話します)
そこから一度も連絡を取らず今に至ります。最後に会ってから7、8年が経ちますが、ぽんちゃんもひなちゃん同様にデビューした雑誌ではもう描いていないのではないかなあ、、、(名前を見ない)
ぽんちゃんはすごい賞でデビューして、しばらくは読み切りもたくさん誌面に載りましたが、連載の壁で悩んでいました。本人に確認していないからあれですが、多分連載もしていないはずです。
ぽんちゃんはデビュー前に服屋のバイトが楽しかったようで、「漫画やめて服の道に行こうと思ってるんだよね〜」と言ったことがありました。
その時は、私が必死に説得してぽんちゃんを漫画の道に引き戻したのですが、「漫画しかない」と思っていた自分には衝撃でした。ぽんちゃんは漫画の才能があるのに、その道を捨てることもできました。
いつでも自分が1番楽しいことをしようとしていたのです。
私は数年前にラインのアイコンで、ぽんちゃんに子供がいることを知りました。ぽんちゃんがもし今漫画を描いていないとしても、子育てだったり今したいことを全力で楽しんでるんだろうなあと思います。
ぽんちゃんとの仲違いの理由
ぽんちゃんと仲違いした理由は今でもよく分かりません。
ざっくりいうと、ぽんちゃんが私に対して何か怒って、お互い離れました。
なんとなく、このことかな?っていうのはあるけど、、、
アシスタント先でぽんちゃんに、私以外に仲のいい子ができ(Bちゃんとします)、ぽんちゃんがBちゃんを誘って3人でネーム合宿(ファミレスで朝までネーム描く会)をしました。
でも、私はBちゃんのことをちょっと自分と合わないなと思ってたんです。
そもそも、私はネームは一人でないと集中できないタイプで、ネーム合宿はぽんちゃんと喋るのが楽しいからやっていただけでした。
ぽんちゃんが「これからは3人で」みたいなことを言ったので、いよいよネーム合宿する意味ないなあと思い、私からぽんちゃんに連絡を取らなくなりました。
(それまでは交代で声かけてネーム合宿をしており、順番的には次は私が声をかける番だった)
で、その後ぽんちゃんからも連絡は来ず、3ヶ月後アシスタント先でぽんちゃんに会ったので「お久しぶりですね〜」と普通に声をかけたら、、、
ぽんちゃんがめちゃめちゃキレてたって感じです。
その怒りぶりがあまりに怖くて、そのまま疎遠に、、、
多分、私がBちゃんを仲間に入れたくないと感じて怒ったのかな〜、、、?(もしかしたら全然別の理由かもしれないけど)
別にぽんちゃんがBちゃんと仲良くするのは全然よかったんですけど、自分としては「3人で仲良くしよう」的なのが嫌だったんですよね。
ぽんちゃんとはアシスタント先の女子的社交が苦手な者同士で仲良くなったと思っていたのに、結局こういう女子女子した内容で仲違いすることになるとは、、、と、ショックと同時にがっかりしたのでした。
でも、私もぽんちゃんに「ネーム合宿は2人でしたい」とか「Bちゃんは自分とあまり合わない」とか、言えばよかったのかなあとも思います。
でもそれも独占欲強い彼氏みたいでなんだかなあと思ってしまったんだよね、、、。Bちゃんを悪く言うつもりもなかったし
会ってない3ヶ月の間、ぽんちゃんはBちゃんとアシスタント先で仲良しコンビみたいに言われてたみたいなので(私はこのとき別にメインのアシ先があった)、ぽんちゃんは私よりBちゃんを選んだんだなと勝手に納得しました(かなすい)
ぽんちゃん、ありがとう!!
切ない最後を迎えてしまったぽんちゃんとの日々でしたが、ぽんちゃんのおかげで夢を追う毎日が楽しかったです。
ぽんちゃん、あのときは本当にありがとう!!
ぽんちゃんは一生仲良くできる友達だと思っていただけに、今でもこんな別れ方をしたことを後悔することがあります。「何で怒ってるの?」と聞ける勇気が私にあったら仲直りできたのかなあ〜
でも、ぽんちゃんとのことは記事にすることでやっと成仏できそうです笑
長くなりましたがここまで読んでいただきありがとうございました!つるでした〜
▼次の話
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